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INTERVIEW
THE BOLY OSAKAのブログ

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BOLY INTERVIEW

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BOLY インタビュー① Allright Graphics 高田唯さん

Dec.19

THE BOLY OSAKAのロゴ及び周辺アイテムのデザインを東京の「Allright Graphics」さんにお願いしました。

アートディレクターの高田唯氏は、既存の「美しい」とされるグラフィックから一線を画したデザインで知られるデザイナー。

活版印刷の工房を主催するほか、東京造形大学では准教授として教鞭を取る。

紙パック飲料の底面や、週刊誌の中吊り広告から文字を取った模写など、ゼミでの独自のカリキュラムもおもしろい。

お昼ご飯準備の包丁の音が聞こえるアットホームな雰囲気の中、多摩川沿いにある Allright Graphicsオフィスにてお話しを伺いました。

INTERVIEWER:THE BOLY OSAKA ディレクター 増田聡

Allright Graphics 高田唯

1980年生まれ.桑沢デザイン研究所卒.
田中一光デザイン室(アルバイト)、
good design companyを経て、

2006年Allright Graphics設立に参加.

2007年活版印刷工房Allright Printingを発足.

同年PAPIER LABO.にディレクターとして参加.
東京造形大学准教授. 
@ALLYUIMEN
http://www.allrightgraphics.com/

ー カメラマン 後藤洋平 GOTO Yohey

アゲインスト○○風?

増田:いわゆる「ブティックホテル」が国内外で増えていますが、アメリカのAce hotelなどの「ブルックリン風」なデザイン、もしくはモダンな旅館のロゴ、外資系のファイブスターホテルのロゴ。どれももちろん悪くはないけれど「○○風」のデザインになっていないか。また自由なはずの独立系のゲストハウスなどでさえ「イズム」が定着しつつあるように感じてまして、違和感がありました。

髙田:ゴージャスな感じとかね。

増田:そうですね。それでどこにロゴ作成をお願いしようか迷っている時に(Allrightさんを)発見して…

髙田:twitterでね 笑

増田:笑 それで、お願いした感じですね。



※脚注:↑このtweetをきっかけに依頼が始まった。

髙田:それがすごく嬉しかったですね。新しい仕事の入り方だなぁと。
もちろん今までもインターネットからということもありましたが、基本的に繋がりからの仕事が多かったから。
今風だなと。

増田:「美しい」ものを是とするグラフィック業界。
ホテル業界も「高級そうに見えなければならない」など「こうあるべき」という感覚がまだ強い業界だと思います。
後付けかもしれないですけど、双方近い考え方なのかなと思いました。
実際に仕事の依頼が来てどう思われましたか?

髙田:そうですね、ホテルにすごく泊まる訳では無いけど、興味はありました。
細かい気配りだったり、「こういうところをこだわってる」その宿の哲学とかを観察するのが好きなんで。

増田:それはビジネスホテルとかでも?

髙田:いやぁ、ビジネスホテルにはそこまで期待していないかな。
でも、アパホテルの折り紙とか、ちょっとしたことでお客さんに届くといいなぁみたいのはいいですよね。
この前、あるアートをテーマにしたホテルに泊まって改めて思ったんですが、「もう一度泊まるか」はホテルのテーマですね。そのホテルはすごく実験的な宿だったんですが、もう泊まらなくてもいいかなと思ってしまった。

増田:そうですね。我々もエッジの効き過ぎたところはリピートにつながるか? 
みたいなことは結構考えました。キワモノにはなりたくないみたいな。

髙田:程よい距離感が大事ですね。やりすぎず、やらなさすぎず。難しい商売かもしれません。

今回のロゴについて

増田:フルサービスのいわゆるラグジュアリーホテルでもなく、おしゃれなゲストハウスでもない、はたまたビジネスホテルとも違う。ジャンル分けの難しいホテルのプロジェクトにあたって、デザイナーにとっては難しいオーダーだったのではないかと思いました。

髙田:確かにかなり難しかったですね。
企画も進行中ということで、内装イメージもラフを頂いただけなので、(大阪に)行ったり、話しを聞いたり、立地などから想像するしかない。
それと、(作成にあたって)来るお客さんのことを考えすぎていたのかもしれません。
結果決まったロゴは、そういった考えを一旦排除して作ったもので、いくつか送った案のなかでも
「まぁ採用されないだろうけど、一応見せておくか」みたいなものでした 笑

増田:そうなんですか

髙田:いろいろ(考えを)展開してみて「正直自分でもわからないな」というところだったんですね。(もう一つ提案していた)放射線状のマークの方が自分的にはしっくり来ていて、その後に「星」案を入れたんですね。

増田:捨て案ですね 笑

※脚注:↑通称「放射線」ver.の提案。さまざまな検討の結果、却下となった。

髙田:捨て案という訳ではなかったんだけど、せっかく作ったし、1案だけ見せるよりは「判断材料」として一緒に添えて見せたら「めっちゃいいですよ~!」って反応があって「放射線案通った!」と思ったらまさかの星案への反応だったっていう 笑

増田:メールでも書かれてましたね そっちかいって 笑

髙田:なるほどこういうのを求めてたんだなぁって。
そこは意外でおもしろかったですね。でも納得しました。

増田:それは、ある意味残念という気持ちもありましたか?

髙田:それは最初はちょっとありました。 そっちかぁみたいな。
この二つだと、熱のいれ方がちょっと違ってるんで油断していました。
でも決まったからにはフォント変えたりで、結果的星案のほうが面白いものにできたのではないかと思います。
まず方向性を決めないといけない段階だったし、おもしろい導き方だったので刺激的でした。

増田:もっと遊んだものでも良かったかなとも思いますが、結果良いところに着地したなと思っています。
チューニングが難しかったんでしょうか?

髙田:すごく難しかったです。
でもこういったマークって、どんどん育っていくものだと思っていますし。
みなさんのホテルに対する熱い想いをどんどん足していったらよりいいイメージになると思います。

大阪の印象について

増田:お引き受けして頂けると決まって、まず大阪にお越し頂いていろいろなところをご案内しました。「高田さん絶対好きやろ」ということで「スーパー玉出」にお連れしたらやっぱり、喜んで頂けたようで接待冥利につきましたね!

髙田:無駄な電飾が最高によかったです。笑




※脚注:↑大阪案内の目玉「玉出」のチラシ。「1円セール」の文字が光る。

増田:他に何か興味深かったところや、印象に残ったことはありましたか?
大阪のホテルは、もちろん大部分が府外からのゲストが多数だと思うので、東京人の高田さんのご意見も気になります。

髙田:大阪はほぼ観光として道頓堀とか、ガチャガチャした感じのベタなところ以外見たことが見たことがほとんどないので。

増田:THE・大阪みたいな

髙田:なので、(ホテル計画地の)北浜周辺の雰囲気がすごく心地良くって、いい「気」でした 笑

増田:オーラが 笑

髙田:そう「オーラ」が。
一緒に歩いてた時にも言ったと思うけど、古いレンガ造りの建物が残っている感じとか横浜っぽいなと思いましたね。こんなに穏やかなところが大阪にもあるんだなと、新たな大阪の側面を知れて有意義でした。
(ステレオタイプは)勘違いだったので、思い込みって危険だな って思いました 笑

増田:大阪で、すごく上品な暮らしをしてる人もたくさんいますしね!
大阪の上質でハイセンスな側面もこのホテルから発信していきたいと考えています。
今まで、大阪でのお仕事って過去ありますか?

髙田:ほとんどないです。やりたいな~とは思ってましたが、本当に縁がなかったです。
(デザイナーの)原田祐馬さんとかとも話しをしたりイベントに行ったりはするけど、
一緒に仕事するって感じではないかな。

増田:私は特に(グラフィック)業界の人間ではないですけど、結構そういうのあるんですかね? 
東京の仕事/大阪の仕事みたいな。

髙田:なんとなくありますね。
東京は東京で、関西は関西で回すみたいのはまだあるかもしれないですね。
でも、もちろん若い人たちとかはSNSとかを駆使しながら、情報交換して仕事してるかもしれないですけどね。
ただ、正直交通費の問題と、どうしても物理的に遠いっていう(問題があります。)
そこを突き破って来てもらった、そのパワーはすごいなぁ って思います。 笑

増田:ありがとうございます 笑
でも、もったいないとかいうか、国外だったら少し話は違うかもしれないですけど。

髙田:でもそれ(海外)はもはやなんかありそう。

増田:高田さんは、最近海外も視野に入れて活動されてますし、すごく今っぽいなぁと思います。
なので、今後も関西での仕事も…

髙田:やっていきたいなぁと思います。 BOLYきっかけに 笑

増田:BOLYきっかけにね 笑
ホテルの地下を、ギャラリー・イベントスペースにするんですけど展示とかいかがですか?

髙田:やる!

増田:音楽のイベントとか、特に展覧会とかやっていきたいねって言ってるんでぜひ!

「ホテル」のグラフィック制作について

増田:今回「ホテル」という業態自体の仕事がAllrightさんにとって初だと思うのですが、いままでの仕事と勝手が違ったり、やり方を変えた点などはありますか? 

髙田:基本的に現地に赴いて空気を感じて、その都度ヒアリングしてコミュニケーション交わしながら、どういうこと求めてるのか(を探る)ってのをやってるんで、
作り方自体はそんなに変わらないです。

増田:カフェであろうが、化粧品であろうが?

髙田:僕のやり方はそうかな。 徐々にそうなっていったというか。
(クライアントとの)ギャップを埋めていけないと思うから、その確認をする作業という感じです。
その後、色だったり形だったりがフッと降りてくる。 

増田:ホテルっていうといろんな国の人が来てっていう少し表現が難しいイメージがあります。

髙田:どういうツール類が必要かっていうのはお願いしてくる人によって変わるので、そこは違いますし、変えます。
今回もツールが多いことは初めから分かっていたので、使いやすさや、縦/横ヴァージョンを作って、展開のしやすさは考えました。僕の手から離れても使いやすいルール造りは意識しました。それは新しい試みだったかもしれないですね。

増田:話は少し変わりますが、今の館内サインの事を考えていると、弊社の社長が、海外のピクトグラムは分かりにくくて、「日本のホテルの館内サインはわかり易すぎて逆に萎える」と言っていて面白かったです。

髙田:説明的すぎると。

増田:そうですね。「日本人は真面目過ぎんねん」って言ってました。笑
私は真面目なので「分かり安いほうがええやん」と思っていましたが、余地を残す事でひっかかりを作る事が出来るかもしれないと、高田さんとの仕事を通じて気づきました。

髙田:あえて困らせる 、ストレスをかけてみると。

増田:ひとつの考え方としてありかなと。

髙田:ちょっとだけお客さんをいじめるんですね。いいですね 笑

宇宙人も泊まりたいホテル

増田:何かホテルに求めるものってありますか?

髙田:僕は、音が気になるので、換気扇とか廊下の音とかですかねぇ。
あと、コンセントとかボタンの位置とか。 
あとはやっぱお風呂の中かなぁ。

増田:じゃあ結構クリーンさを求めるんですなね

髙田:当然そこ(客室)には以前誰かが泊まったことがあるのでそれを感じさせない方が、気持ちいいのは間違いないですよね。

増田:なんとなく、今回のロゴもクリーンな雰囲気は出てますよね。

髙田:そうですね。 それをいうと、最初に提案したロゴ達はそういうこと (ホテルのロゴであるという事) を一切考えないでやったロゴたちなので 笑 
あれはさすがに外しすぎたかなぁと思いますね。
ちょっとあれは揺さぶってやろうと思って。

増田:宇宙人とか 笑

髙田:キャラクターいてもいいんじゃないかなぁと思って。

※脚注:↑幻の「宇宙人」ロゴ。 今後の使用もある....かも。

増田:宇宙人最高でしたけどね。
でも、すごい長文で「これはちゃう」みたいな文章送った記憶ありますねぇ 笑

髙田:こっちはノリで作ったのにな みたいな 笑
この緑色の生物をBOLYとするみたいな(文章を添えてメールしました。)

増田: 哲学みたいな文章 笑
でも、あれ子供服のパジャマとかに付いてたらすごくかわいいと思ってたりします。

髙田:そうですね (決定ロゴが)星だし、まだ宇宙感はあるし、
そのウチ..... 笑 隠れキャラとして。

増田:隠れキャラいいですね 笑

髙田:宇宙人も泊まりたいホテル っていいなぁと。 世界を飛び越えちゃうっていう。
でも、 飽きられると終わりなので 、ちょっと行き過ぎちゃったというか。 
(決定版のロゴについて)マークはどシンプルっちゃあどシンプルなんですけどなんかこう
「実はなにか考えを持っているんだろうな この人達は」というのを(出せたと思います) 笑

増田:笑 でも確かにそうかもしれないです。文字の詰め方とかも微妙に普通と違うし。
「普通のようで、普通じゃない。でも上質」みたいな雰囲気がうまく出ている気がします。

髙田:そうそう そういう書体は選びつつ、そこの絶妙な感じは目指しましたね。

ー 次回のBOLYインタヴュー②は、ふしぎデザインの秋山慶太さんです。 公開お楽しみに!

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ー 「THE BOLY OSAKA」では、2019年2月頃から一緒に働いてくれるオープニングスタッフを募集しています。

募集職種
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採用人数
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採用形態
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勤務地
大阪市中央区北浜2-1-16 THE BOLY OSAKA
淀屋橋駅・北浜駅から徒歩5分
補足
夜勤シフトがあるので、可能な方優先。
応募方法
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連絡先
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