BOLY インタビュー③ Stellar Works Japan
今回、THE BOLY OSAKAに導入した「Stellar Works」社の家具たち。
日本人CEO/ファウンダーの堀雄一朗氏が、2008年に前身のファニチャーラボを経て設立した、
上海を拠点に輝かしい成長を続ける家具ブランドです。
「東洋と西洋」「伝統とモダン」「クラフトとインダストリー」という2つの互いに異なるアイデアをつなぎ合わせるというコンセプトのStellar Worksは、ヨーロッパのデザイン力と、中国の生産能力、そして日本の技術力・マネジメント能力 うまく掛け渡した稀有な存在。そんなStellar Worksのこれまでとこれからについてを、昨年設立された日本法人であるStellar Works Japan取締役社長の菅野成人氏と上森智之マネージャーに詳しくお話を伺いました。
INTERVIEWER:THE BOLY OSAKA ディレクター 増田聡
Stellar Works略歴
2012年 Stellar Works を設立
2015年 Neri&Huがクリエイティヴディレクターに就任
2016年 Stellar Works USA、UK、Australiaを設立
2018年 Stellar Works Japan設立
Stellar Worksとファニチャーラボ
増田:まずは、御社の事業内容と来歴についてお聞かせください。
2012年のStellar Worksブランド設立の前身ファニチャーラボとはどのような会社だったのかも気になります。
菅野:ファニチャーラボは、堀が2008年にフランスのラヴァル社と合弁で設立した会社で、日本を含めた世界のクライアントに向けてホテルを中心にコントラクト(プロジェクトのための家具を製作する)会社として始まりました。
当時はまだStellar Worksというブランドが無くプロジェクトごとにクライアントやデザイナーと打ち合わせを重ね、その空間に会った家具の提案から製作までを行っていました。
増田:本社は上海だと思うのですが、場所はまさしく嘉定区の工場街のエリアの中になるのでしょうか?
機会があればぜひ行ってみたいです。
菅野:そうです。
ぜひ! 上海にいらしてください。
増田:上海本社の他、ロンドン、ニューヨークなど各支社があると思うのですが、どのようなお仕事の流れになるのでしょうか?
菅野:Stellar Works直轄の営業拠点としてロンドン、ニューヨークと東京が有り、この各3エリアには私のようなディレクターが居ます。そこで、コントラクトとリテール両方で直接取引ができます。
増田:リテールもできるんですね。例えば私が椅子買いたいとなったら可能なのでしょうか?
菅野:はい。ただ、Stellar Works Japanが立ち上がってまだ一年なので、そのあたりの準備をこれからしていく段階です。ヨーロッパやアメリカ等は、現地のディーラーさんを介して一般のお客様でも購入ができます。現在、約30カ国以上でStellar Worksの商品を扱って頂き購入する事ができます。
増田:今後、日本でのショールームの開設も目指してらっしゃるんでしょうか?
菅野:日本でのショールームも考えています。やるとしたらやはり、東京かなと思います。
※現在も東京渋谷の会社内にてStellar Worksの家具を見る事ができる。(一部除く)
増田:そういえば最近、東京の上野にオープンしましたNOHGA HOTELさんに宿泊したのですが、Stellar Worksさんの家具がたくさん置いてあり驚きました。日本での取り扱いは増えてるのでしょうか?
菅野:おかげさまで、Stellar Works Japanができた事をきっかけに、ご採用を頂く機会が増えています。
日本を重要視してなかったという訳では無かったのですが、海外の場合はディーラーさんを見つけて、例えば「来月からコンテナで毎月何本」のような買い付けをしてから、ディーラーさんの方で告知と展開をするようなモデルが普通にあります。
例えば、ミラノサローネのような展示会に出展すると、「うちで扱いたい」というお声からの商取引きが世界では一般的ですが、日本でこのようなケースは稀です。おそらく日本のインテリアブランドさんで、毎月コンテナで仕入れて在庫を積んで販売するというモデルで売ってる会社さんは、意外と少ないのではないでしょうか?
(そういう日本特有の市場を鑑みて)、どのように販売して、日本の市場でどのように家具を販売していくかを考えた際に、ただ店を構えて販売するだけでは難しいと思っています。まずはホテルを中心とした商業コントラクトでの納品実績を通して、Stellar Works というブランドを認知していただけるようにしたいと思っています。
Made in Shanghai
増田:日本のブランド? 中国のブランド? と、聞かれる事はあるのでしょうか?
例えば、スポーツメーカーの「ASICS」は日本より国外売り上げ比率がとても高いブランドです。そして、ASICS神戸本社側もどこの国のブランドなのかをあまり意識されない事を望んでいて、どんどんそうしていきたいという意向があると記事で読んだ事があります。Stellar Worksさんもそのように考えているように感じます。
菅野:確かに、「日本の会社なんですか?」 とか「誰がデザインしてるんですか?」「インハウス(社内デザイナー)でやってるんですか?」という質問をされる事があります。
デザインについては、Neri&Huをはじめとした海外で活躍しているデザイナーに担当してもらっています。
今回の最新のカタログも「Made in Shanghai」という打ち出し方をしていますし「我々は日本人だから日本のメーカーです」とは一切思ってもいません。
そういう意味では、上海発のブランドだと思っています。
増田:「良いデザインとは時代にとらわれないタイムレスなデザインだと信じています。Stellar Worksはタイムレスな存在であることを望みます。」と御社のカタログでも書かれていてとても共感を覚えます。
菅野:そうですね、クロスカルチャーというのも含めて、アジアの中で上海という場所がいろいろな国の文化とデザイン、人が集まっている場所ですので、そこから我々はクリエティブを発信していくというスタンスでやっています。
増田:素晴らしいですね。。私も以前上海に在住していたのでその空気感をすごく感じられます。Neri&Huさんも(上海市内の)フランス旧租界の洋館を改装した家に住んでられるそうですし、ヨーロッパ的な部分と中国の伝統のようなものがカタログから見えてきます。イメージ写真も本当にかっこいいです。
菅野:ありがとうございます。
デザイナーとCEO堀雄一朗氏について
増田:今回のTHE BOLY OSAKAには、客室に、ラウンジチェア(Luner long Chair Small)や、サイドテーブル(Luner side table)、ダイニングチェア(Utility Chair U) 等を導入させて頂きました。
これらのアイテムは、先ほどもお話に上がりましたクリエイティブディレクターであるNeri&Huや、SPACE CPh(スペースコペンハーゲン)という勢いのあるデザイナーがデザインしたものです。
他にも、CARLO FORCOLINI(カルロ・フォルコリーニ)の起用と彼の名作チェア・CARLOの復刻など、大物デザイナーの起用が目立ちます。
これらの名デザイナーを誰がどのようにアプローチされて、実現しているのかを伺いたいです。
:↑THE BOLY OSAKAに設置された「Lunar long Chair」(別注色)と、「Lunar side table」
:↑BOLYのキーカラーに別注で仕上げた「Utility Chair U」
菅野:堀が、幅広い人脈を活かし、デザインや家具に関わるクリエイターさんに積極的にアプローチしています。
増田:私が中国に居たこともあり、堀様のバイタリティと、実際に事業を軌道に乗せていらっしゃることを、勝手にですが本当に尊敬しております。笑 どのような方なんでしょう?
菅野:とにかくバイタリティに溢れていて、 24時間片時も、思考も行動も停止しない。そんな人だと思います。笑
増田:すごいですね!
では、上海に止まってることも無い訳ですね?
菅野:そうですね。ほとんど海外出張なので、ほとんど自分の家のベッドで寝てないんじゃないかという感じです 笑
増田:日本にもよく来られるんでしょうか?
菅野:日本を目的にというよりは、どこかへ行く際のトランジットで、打ち合わせをまとめて入れて、また最終目的地に飛ぶ。みたいな感じでしょうか。
今のデザイン潮流とこれから
増田:最近のデザインを追っていると、 アメリカのホテル「11HOWARD」を手がけたSPACE CPh(スペースコペンハーゲン)を代表するように、いままでウケていた分かり易い派手さ等というよりは、シックで上質なデザインが求められているように感じます。
Stellar Worksさんのデザインが、その今の時代の潮流に乗っているのでしょうか?
菅野:個人的な意見ですが、、デンマーク等の北欧のデザインは日本人にとって親しみを覚えますし、イタリアンモダンのような尖ったデザインではなく タイムレスで時間が経って味わいが出てくる「入りやすい」デザインだと言えると思います。その中にも今風でモダンな要素も入っているそのバランスが良いんだと思います。
増田:弊社の「特定の主義や様式に囚われない普遍性あるデザイン」を追求する姿勢と、親和性が高いのではないかと感じました。最後に今後についてお話いただけないでしょうか。
菅野:はい、Stellar Works Japanを設立して間もないですし、まだまだ日本市場ではこれからだと考えています。おこがましいかもしれませんが、日本の消費者の感覚をリードする存在になりたいと考えています。
もちろん日本の中にも良いものはたくさんありますが、「Made in Shanghai」と打ち出しても「ようは中国でしょ」っていう感覚がまだまだあります。
日本人の中には、(中国と言えば)「安かろう悪かろう」や「粗悪なもの」というようなイメーシがまだすごく有ります。そういう一面も確かに否定はしないですが、一方では日本もうかうかしてられない状況があると思います。
つまりは日本よりも新しいデザインや、カルチャーが今上海に集まっていると思います。
日本の会社なのかどうかより、「アジアから世界へ」出ていけるブランドを発信していきたいと考えています。
増田:素晴らしいですね
菅野:家具というと、もちろんヨーロッパの方が歴史が有り、良いものも沢山有るのですが、我々のアイデンティティであるアジアから世界で通用するブランドというのが出てきていないので、それをやっていきたいです。
増田:そのお話で言うと、「上海」という場所は、日本とはまた違うヨーロッパとの関わりをしてきた地域なのでぴったりだなと感じます。
また、「今の中国はすごい」という話の文脈ですと、すぐに電子決済等のテクノロジー面の話になってしまいがちですが、実はカルチャーやファッション、デザインなどのソフト面でも、中国で面白い動きが起こっている。その事を日本人の中で、「電子決済では確かに負けてるかもしれないけど、そこ(ソフト面)は日本が勝ってるでしょ。」のいう様
にまだあまり意識が出来ていないのではないかと思います。
THE BOLY OSAKAも消費者の一歩先を行きたいという気持ちは同じですし、それもここ大阪からというのを大事に考えています。
本日は、どうもありがとうございました!
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